フットサルを日本一のスポーツに|あしざるFC F GAME.5観戦記

「あれ、フットサルってオフサイドないのか?」

開始5分で、その程度の理解だった。それでも不思議なことに、試合は十分に面白く、むしろその“わからなさ”すら気にならなくなるほど、場の熱量がすべてを上書きしていた。

この日、鉢嶺は親交の深い顧客に招かれ、あしざるFCが主催するイベント「F GAME.5」に足を運んでいた。競技としてのフットサルを見に来たはずが、気づけばそれ以上の“何か”を体験することになる。

目次

  1. あしざるFC ── 「フットサルを日本一のスポーツに」を本気で言う集団
  2. スポンサー席での再会、そして場内アナウンス
  3. 第1試合 ── 赤いスーツの監督
  4. 第2試合 ── あしざるFC vs タイフットサルリーグ選抜
  5. 試合後、ライブへ
  6. まとめ

あしざるFC ── 「フットサルを日本一のスポーツに」を本気で言う集団

あしざるFCは、キャプテンののぶくんやかにゃ、レインらを中心に結成されたフットサルチームであり、YouTubeチャンネル登録者数は300万人を超えています。彼らは「フットサルを日本一のスポーツに」というテーマを掲げ、競技活動と動画発信を同時に展開することで、競技人口の拡大と認知の向上を狙っています。

主催イベントである「F GAME」は、単なる試合ではなく“演出込みの体験”として設計されており、回を重ねるごとにその規模は拡大しています。第2回では2500人以上を動員し、第3回では初の2日間開催を実現。そして今回のF GAME.5は、名古屋・金城ふ頭アリーナで開催され、最終目標である代々木第一体育館満員へ向けた確実な一歩となっていました。

スポンサー席での再会、そして場内アナウンス

会場に到着した鉢嶺は、スポンサー席へと案内されました。席に向かうと、すでに一人の人物が座っており、顔を見た瞬間に過去の記憶がつながります。銀座の高級クラブで黒服として働いていた頃に世話になった顧客であり、現在は上場企業の役員という立場にある人物でした。

名古屋のフットサルイベントという一見接点のない場所で再会するこの偶然に、縁の持続性のようなものを感じながら会話をしていると、場内ではスポンサー企業の読み上げが始まりました。

その中で「ZENNO GROUP」の名前が呼ばれ、スクリーンにロゴが映し出されます。

2000人規模の観客が見守る中でその映像が流れる光景を、かつての顧客と並んで眺めるという状況に、言語化しきれない小さな高揚がありました。

第1試合 ── 赤いスーツの監督

会場には子供連れの観客が多く見られ、全体の雰囲気は想像以上に柔らかいものでした。最初の試合は、あしざるFCのジュニアチームにあたる「サルベイビー」と、ロボガトジュニアフットサルクラブの対戦です。

コートに入ってくる子供たちの姿によって、会場の空気が一段階変わり、競技というより“育成と応援”の空間へとシフトしていきます。

そのコート脇に立っていたのが、監督として登場したのぶくんでした。赤い髪に加え、同色のスーツという強いビジュアルで立っており、そのスーツには見覚えがありました。ZENNO GROUPのオーダースーツとして提供したものだったからです。

スクリーンに映る姿を見ながら、「ちゃんと着ている」という事実だけで、十分な納得感がありました。試合の合間に声をかけると、本人もそのスーツを気に入っている様子で、その言葉には作り手としての手応えがありました。

試合はサルベイビーが4-0で勝利し、次の試合へ向けて会場の温度を自然に引き上げていきます。

第2試合 ── あしざるFC vs タイフットサルリーグ選抜

メインマッチでは、あしざるFCとタイフットサルリーグ選抜チームが対戦しました。選手が整列した瞬間、会場の空気が明確に変わり、観客の視線が一斉にコートへと集中します。

この試合はFGAME独自のルールが採用されており、通常よりも得点が入りやすい構造になっていました。その結果、試合のテンポが速く、ルールを深く理解していなくても展開を追うことができる設計になっています。

実際、鉢嶺はフットサルの細かいルールを知らない状態でしたが、それでも試合の面白さは十分に伝わりました。点が入るたびに会場が沸き、そのシンプルな構造が観客全体を巻き込んでいきます。

結果は24-6であしざるFCの勝利。のぶくん自身もF GAME初ゴールを含む2得点を記録し、イベントとしての盛り上がりを決定づけました。

試合後、ライブへ

試合終了後、コートはそのままステージへと変わり、あしざるFCによるライブが始まります。スポーツの熱が冷めることなく、そのままエンターテインメントへ接続される構造は、従来の競技イベントとは明らかに異なるものでした。

フットサルを観に来た2000人の観客が、そのままライブを楽しんでいるという光景は、スポーツと音楽の境界を曖昧にし、イベント全体を一つの体験として成立させていました。

まとめ

フットサルのルールを完全に理解していなくても楽しめる。この事実は、あしざるFCが「知らない人にも届く設計」を徹底していることの証明でもあります。

競技としての魅力だけでなく、体験としての設計、演出、そして空気づくり。そのすべてが組み合わさることで、2000人規模の観客を動かすイベントが成立していました。

代々木第一体育館を満員にするという目標は、単なる理想ではなく、現実的な延長線上にあるものとして見え始めています。その過程を目撃した一日として、このイベントは十分すぎる価値を持っていました。

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